日本語教育スペシャルレクチャー
東京外国語大学・准教授 石澤徹 先生 「日本語教育の歴史: 過去・現在・未来」 時代の流れとともに、日本語教育の意味や形は変わってきました。このレクチャーでは、これまでどのような日本語教育が行われてきたかについて、いくつかの時代区分に分けてお話しいたします。 これからの日本語教育を考えるために、過去を知り、過去に学びましょう。 |
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国立国語研究所・准教授 柏野和佳子 先生 「日本語の変種に国語辞典はどう対応してきたか?」 地域や社会的属性において様々な言語変種があります。地域差に基づく変種は地方方言、年齢、性別、職業など社会的な属性に基づく変種は社会方言と呼ばれます。 それら変種を国語辞典ではどうとらえて記述をしているかを見ていきます。また、国語辞典で変種を扱ううえでの課題について考えます。 |
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東京学芸大学・准教授 小西円 先生 「日本語教材開発と著作権:教材作成で留意すべきこと」 本講義では、現行の日本語教育の教材をレベル別にいくつか概観しながら、教材のタイプ、構成、ねらいなどについて考えます。また、自分で教材を作るとしたら、 どんなことに気をつけるかについて、著作権も含めて、考えていきます。 |
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東洋大学・専任講師 陳秀茵先生 「日本語教員に求められるもの:成長する教師を目指して」 よい授業ができる先生にはどのような人間性が求められ、どのような専門性が必要とされるのか。また、学生と共に成長していく上で、 どのような工夫が要求されるのか。本講義では、日本語教師の「資質」とも呼ばれるものを理論と実践の両面から考えます。 |
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東京都立大学・教授 松田真希子先生 「多文化共生社会に向けて:日本語教育に期待すること」 2019年に「日本語教育の推進に関する法律(日本語教育推進法)」が施行されました。この法律により、日本語ができない人が日本語を学ぶ権利が保障されました。これは、外国人が日本で社会参加をするための保障を国が責任をもって行うという意味もありますが、日本に住む外国人に対して、日本は日本語社会であること、「日本に住むからには日本語ができなければならない」というイデオロギーも発生させました。日本は言語的文化的多様性を包摂する社会ではなく、日本語社会への同化や排除の圧力を強化しているかもしれません。現在、日本語以外を言語レパートリーとして持って生きている住民の中には、同化や排除の圧力によって、日本で暮らす中で生きづらさを抱える人が多くいます。この講義では、特に、日本の小中学校で学ぶ外国ルーツの児童生徒(CLD児)に注目し、彼らが共生できるようになるために日本語教育に期待されることについてお話します。 |
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武庫川女子大学・教授 森篤嗣先生 「やさしい日本語が目指すこと:社会、文化、政策と言語との関係」 「やさしい日本語」は、日本語母語話者が日常的に使っている日本語を調整することによって、外国人に理解しやすくすることを目指すものです。もともとは災害時の情報伝達手段として使われ始めましたが、現在では多くの自治体などで生活情報などを伝える手段としても用いられるようになっています。 本講義では「やさしい日本語」が目指していることを、言語だけではなく、社会、文化、政策との関係から説明していきます。 |