神戸大学国際文化学研究科日本語教師養成サブコースの紹介

高い専門性と教養を備えた日本語教員を養成します

 神戸大学国際文化学研究科では、発足以来、多くの日本語学・日本語教育分野の研究者や実践者を輩出してきました。この背景を踏まえ、2015年度に、主として博士課程前期課程所属学生を対象に、「日本語教師養成サブコース」を新設しました。
 同様のコースは多くの大学に設置されていますが、本学のコースは、(1)大学院レベルに設置されている、(2)所属コースでの専門分野の学修に加えてadd-onで学ぶ サブコースとして設計されている、(3)学ぶ意欲さえあれば所属コースに関わらず履修可能である、(4)狭義の日本語教育専門家だけでなく、言語学(コーパス言語学・社会言語学・心理言語学)、言語文化学(日本社会論、日本文化論、国際文化論)、外国語教育学(英語教育、ドイツ語教育、中国語教育)など、研究科に所属する幅広い分野の専門家が参画し、多様な視点から日本語教員に必要なスキルを指導している、といった点で、 ユニークな特徴を持ちます。こうした特徴は、日本語・日本語教育に関する高度な専門性と、幅広い専門教養の両面が要求される 新しい時代の「登録日本語教員」を育成していくうえで大きな強みとなっています。

「登録日本語教員養成機関」および「登録実践研修機関」として認定されたコースです

 神戸大学国際文化学研究科は、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」第46条第2項及び第62条第1項の規定に基づく「登録実践研修機関」及び「登録日本語教員養成機関」として登録済みです(2024年11月登録)。本学の「日本語教師養成サブコース」修了者は、登録日本語教員となるために必要な「基礎試験」および「研修」が免除され、「応用試験」に合格することで登録日本語教員となれます。国内の日本語学校(告示校)で教えるには、登録日本語教員の資格が必須です。

活躍する修了生

 発足以来、毎年、博士課程前期課程1学年約50名のうち、5~10名程度の履修があり、 2023年度末までに75名がサブコースを修了しました。修了生からは、海外の大学の日本語担当教員、国際交流基金による海外派遣教員、 国内日本語学校の管理者・教員、地方自治体の日本語関係職員などが輩出しています。このほか、小中高大の様々な科目の教員として、あるいは一般企業において、日本語を通した多文化共生社会の創出に貢献している修了生も少なくありません。

近畿の日本語教育の連携拠点として

 神戸大学国際文化学研究科は、2024年より、文部科学省 日本語教師養成・研修推進拠点整備事業(近畿ブロック)の拠点校に採択され、近畿全域の30を超える大学・日本語学校・行政系機関の連携深化をサポートしています。


沿革

2024/12/20学内
研究科教授会において、登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関の認定に伴う諸規定が了承されました。
2024/11/20学内
本学は、登録実践研修機関及び登録日本語教員養成機関として、認定を受けました。
2024/10/28学内
第2回のサブコース受講生交流会および応用試験説明会を開催しました。
2024/06/21学内
研究科教育研究プロジェクト「『日本語教師養成サブコース』高度化事業」が採択されました(2024-2025年度)。代表者:石川慎一郎教授。
2024/04/04拠点
本学を主幹校として、文部科学省 日本語教師養成・研修推進拠点整備事業(近畿ブロック)がスタートしました。
2024/03/05学内
国際文化学教授会において、2023年度のサブコース修了生が正式に認定されました。
2024/03/01学内
サブコース修了生に授与する「デジタルバッジ」の申請手続きが完了しました。
2024/01/31学内
デジタルバッジの申請に伴い、サブコースの英文正式名称を「Japanese Language Teacher Training Program」に統一し、修了証明書を改訂しました。
2023/10/20学内
第1回のサブコース受講生交流会を開催しました。
2023/04/01学内
従来のサブコースコーディネータ制を拡充し、「日本語教師養成サブコース運営委員会」を設置し、齊藤美穂准教授が初代委員長に就任しました。
2023/03/31学内
サブコースのカリキュラムが、文化庁より、H30年基準「対応済み」として認定されました。
2023/03/10学内
研究科教育プロジェクトにより、レクチャービデオ、修了生ビデオの公開が開始しました。
2022/09/01学内
サブコースコーディネーター会議より、サブコースの改革案を提出しました。
2022/05/91学内
文化庁の必修50項目に対応するため、提供科目の内容調査とカリキュラムの見直しに着手しました。
2022/04/01学内
研究科教育研究プロジェクト「大学院教育としての「日本語教師養成SC」プログラムの改革にかかる基礎的研究」が採択されました(2022-2023年度)。代表者:石川慎一郎教授。
2015/4/1学内
神戸大学国際文化学研究科に「日本語教師養成サブコース」が設置されました。