神戸大学石川研究室

             

石川ゼミ 博士前期課程・後期課程正規学生および研究生募集

     
最終更新日 2024/4/1


求める学生

 神戸大学国際文化学研究科グローバル文化専攻外国語教育論講座外国語教育コンテンツ論コース石川ゼミでは,日本語や英語のコーパス(大規模な言語データベース)を活用した言語研究および言語教育研究に関心を持つ方の受験を歓迎します。
 とくに,(1)コーパスを用いた言語の計量的分析に強い興味があり,(2)研究成果の言語教育への応用に意欲を持ち,(3)基礎的なコンピュータリテラシを持ち,(4)将来何らかの形で言語教育に関わる場で働こうとする学生を求めます。

ゼミで扱う研究テーマ
 本ゼミで扱う研究は,「コーパス言語学を基盤とした応用言語学・言語教育学研究全般」に限定されます。ゼミ研究では,(1)対象言語(英語or日本語)において調査する言語現象を絞り、(2)コーパス調査を行い、(3)得られた知見を活かした教授法・教材を考案し、可能であれば、(4)実践して効果検証を行う、という流れが標準となり、<コーパス・言語分析・言語教育が互いに重なりあう学際分野の研究>が奨励されます。
 過去のゼミ修了生の論文で扱われた言語事象の一例を下記に示します。

日本語研究 英語研究
・複合動詞「~込む」、複合動詞「合う」、漢語サ変動詞、漢語動名詞、オノマトペ、カタカナ語、非和語系語彙(漢語・外来語)、スタンス標識(ヘッジ,1人称,文末詞)                             ・基本動詞(make, haveなど)、関係代名詞(which)、起動表現(begin/ start)、強意詞(very, reallyなど)、確信度副詞(surely, really, perhapsなど)コロケーション、前置詞(in, on, atなど)、法補助詞(must, can, willなど)

■本ゼミの指導方針
 石川ゼミは「学生を甘やかさない」という基本方針を取っています。ゼミは原則として毎週1回以上行っており,長期休暇中にも指導があります。また,ゼミ生は,前期課程の場合,2年間で平均100頁程度,後期課程の場合,3年間で平均350頁程度の論文を執筆し,このほか,毎年,1~2回の学会発表や学外論文投稿を行います。
 ゼミでは,最短期間で修了できるよう,論文書式や研究作法を含め,細部に至るまで厳しく指導します。従って,研究への強い意欲と熱意を持ち,併せて,在学中は研究に専念できる環境を整えている学生が本ゼミに向いています。逆に,「無理せず自分のペースで学びたい」,「好きなテーマを自由に研究したい」,「修士2年,博士3年の枠に縛られず,ゆっくり自分のペースで研究を進めたい」という方は,本ゼミには向いていません。また,コーパスと関連のないテーマを研究する学生も受け入れていません。
 ゼミ生の大学院入学までの経歴やバックグラウンドはさまざまですが,入学後は,良い言語研究・言語教育研究に一歩でも近づけるよう,みな,一丸となってがんばっています。常時、複数名の学生が在籍しており、同じ目的を持った学生と競い合い,助け合いながら研究を進めていく環境が用意されています。

■本ゼミで受け入れる学生の種別
・博士後期課程正規学生
・博士前期課程正規学生
・博士後期課程研究生(将来的に博士後期課程入学試験の受験を予定している者)
・博士前期課程研究生(将来的に博士前期課程入学試験の受験を予定している者)
・博士前期/後期課程短期研究生(別の大学院に在籍しながら,1か月~数か月にわたって日本に滞在し,石川研究室で研究を行うことを希望する者)

■石川ゼミを志願される方へ(正規学生・研究生共通)
1)まず,下記の文献のうち,いずれか1冊をお読みください。
・石川慎一郎(2021)『ベーシックコーパス言語学第2版』(ひつじ書房)
・李 在鎬・石川慎一郎・砂川有里子(2018)『新:日本語教育のためのコーパス調査入門』(くろしお出版)

2)加えて,下記の論文の中から,2本以上をお読みください。
(日本語研究者用)
・石川慎一郎(2018)「中国語母語の日本語学習者の発話における使用語彙の変遷:発達段階の差と個体の差をめぐって」
・石川慎一郎(2020)「日本語自然対話における丁寧体否定形「ナイデス」「マセン」の選択―BTSJコーパスを用いた検証―」
(英語研究者用)
・石川慎一郎(2019)「英語学習者コーパス研究の現状と課題」
・石川慎一郎(2019)「コーパスによって進化するL2語彙の教授」

3)その後,コーパスを用いて自分が行いたい研究テーマを定め,研究計画書(A4で2枚程度。様式は自由)を執筆ください。研究計画書は,人の手を借りず,独力で執筆することとし,目的・先行研究・リサーチクエスチョン・手法・予想される結果・教育的示唆およびこれまでに着手済みの内容(パイロット調査,先行分析など)について明記してください。また,石川の書籍・論文からの引用を必ず含むこととします。

4)研究計画書をメイル(iskwshin@gmail.com宛て)で送信ください。また,研究生希望者は,このほか,研究計画書と一緒に,N1証明書,CET証明書,履歴書を添付ファイルで送信してください。

5)受け入れ可能性がある場合,こちらから返信を行います。その際,国内在住者には,原則として,出願前に事前面談をいたします。海外在住者にはZoomでのインタビューを行います。

6)本ゼミを志望されて入試に合格した場合,修了まで継続的に指導に当たれるよう努めますが,教員の退職・転勤・長期海外出張・サバティカルなどにより,修了年次までの継続的な指導が行なえなくなる可能性があります。この点についてあらかじめご承知おきください。

7)本ゼミに入られた方は95%以上が規定年限(最短年限)で学位取得を果たしていますが,過去20年間に,前期課程で1名,後期課程で2名,中途での研究室変更や退学になったケースが存在しました。あらかじめお伝えしておきます。

■正規学生を志願される方へ
前期課程・後期課程とも,事前相談なしでいきなり受験された場合,当研究室で引き受けることはできません。石川研究室の受験希望者は,必ず出願前に教員にコンタクトを取ってください。(※大学によっては出願前の教員へのコンタクトを禁じているところもありますが,神戸大学国際文化学研究科ではコンタクトを禁じていません。また,石川研究室では事前コンタクト必須としています。)

 前期課程の場合は,まだ具体的に研究計画が定まっていない場合であっても相談に乗ります。研究計画書を書く前に簡単な面談や授業見学などを希望される方は,遠慮なく,メイルでお問い合わせください。本ゼミは,神戸大学学部出身者に限らず,広く全国,また,海外からも学生を受け入れています。また,本ゼミには,文学部・外国語学部・教育学部だけでなく,法学部や経済学部の出身者もいます。
 後期課程の場合,石川研究室では,規定の3年間で博士論文を執筆・提出することを必須としています。そのため,他大学の修士課程から本研究室に入ろうとされる場合は,(1)修士論文もしくはそれに相当する論文が100p程度あること,(2)できれば修士の間に学会発表and/or論文発表を済ませていること,(3)コーパス的な研究手法について一定の知見があること,などが求められます。状況によっては,博士後期課程で研究生を1年間してから受験することをお勧めする場合もあります。他大学出身者で博士後期課程への入学を希望される場合は,原則として面談を行いますので,事前に連絡ください。
 なお、指導の水準を保つため、ゼミの現有人数が多い場合は、新規の学生を募集しない場合もありますので、あらかじめご承知おきください。受入れの可能性については、照会された場合はお伝えしています。

 《参考》 過去の石川ゼミ修了生の進路(2023年4月現在)  
後期課程修了者: 環太平洋大学教授,西安理工大学准教授,湖北大学准教授,華南農業大学専任講師、中国東北大学専任講師、大阪工業大学特任講師,関西大学非常勤講師,神戸大学非常勤講師,神戸大学学術研究員
前期課程修了者: 神戸松蔭中学校高等学校講師,私立西大和中学校・高等学校講師,兵庫県立高等学校教諭(2),岡山県立高等学校教諭(1),鳥取県立高等学校教授(1),神戸大学附属中等教育学校・小学校教諭(2),中国中学校教員(日本語担当),Sony Computer Entertainment Inc, Taiwan,ダイハツ(株),三菱電機(株),(株)白鳩,日立ソリューション、Sony他。


■研究生を志願される方へ
 研究生として,石川ゼミに出願される場合,下記について,事前にご了解下さい。
1)研究生に入っても修士・博士の試験に合格できるとは限りません。
2)石川ゼミでの研究生としての受け入れ期間は,春入学の場合,最大1年間,秋入学の場合,最大1年半とします。大学院入試の合否結果に関わらず,延長は認めません。
3)研究生期間中,すべてのアルバイトは禁止します。勉学を最優先にしてもらいます。
4)研究生期間中に最低1本の論文を書くことが義務付けられています。条件を守れない場合,研究室での受け入れを中止することがあります。
5)研究室が受け入れを承認しても,本人の手続き不備などの理由により,研究生としての入学が認められない場合もあります。

※出願時期と受け入れ時期(※詳細は研究科サイトで確認ください)

  4月入学(※11月中旬ごろまでに出願)※2021年度より早期化しました
  10月入学(※5月中旬ごろまでに出願)

 《参考》 過去の石川ゼミ受け入れ研究生の進路  
 神戸大学大学院国際文化学研究科(6),関西大学外国語教育学研究科(1),横浜国立大学教育学研究科(1)                 


■よくある質問(神戸大の公式データで見る「国際文化学研究科」の概況)

Q1 神戸大学出身でないのですが入学できるでしょうか? 留学生ですが入学できるでしょうか?



博士前期の場合,約50人の入学者のうち,神戸大の学部出身者は6~9名です。他大学出身者や留学生にも広く門戸が開かれています。
博士後期の場合,約15人の入学者のうち,10名程度が本研究科からの進学,5名程度が他大学で修士号を取得した人となっています。
留学生率は全研究科平均で20%程度です。国際文化学研究科は留学生比率は高く,中国などからの留学生が多数在籍しています。

Q2 年限以内で学位が取れるでしょうか?

(年限内での修士号取得率)


国際文化学研究科全体で8割程度が2年間で修士号を取得しています(※石川ゼミではこれまでの在籍学生の100%が2年で修士号を取得しています

(年限内での博士号取得率)

国際文化学研究科全体でみると,3年間で博士号を取得する学生の率は10~70%で,神戸大の人文系の3つの研究科でも相対的に高い比率になっています。(※石川ゼミでは,入学者7名のうち,中退者2名を除き,5名全員が3年間で博士号を取得しています


研究ミッション

石川研究室は,記述言語学・応用言語学の理論的背景に基づき,L1やL2の慣習的言語運用パタンおよびその習得・学習プロセスを科学的手法によって解明することを目指しています。

大学院生募集

石川研究室では,2016年度現在,博士後期課程2名,前期課程4名,合計6名が所属しています。コーパスに基づく科学的手法により,日本語・英語・中国語などの言語研究・習得研究を志している皆さんの受験をお待ちしています。