事業評価
2024年度 | 2024年度事業概要(2025/2/4 最終更新) 本事業では、(1)協議会(参画機関の全体組織)を設置するほか、専門部会を設置し、(2)研修事業、(3)調査事業、(4)地域ニーズに応じた独自事業を行うこととなっています。加えて、(5)申請校による独自事業の実施も想定されています。以下では、これら5点につき、各事業で求められているミッションと、近畿ブロックでの事業成果について報告します。 1. 協議会設置に関して 【募集要項におけるミッション】 日本語教師養成実施機関連絡協議会(仮称)(以下「協議会」という。)の設置: 大学・大学院等の養成機関、日本語教育機関、地方公共団体、学校・教育委員会、経済団体等を構成員とした、日本語教師養成に係る協議会を設置いたします。中核となるのは、大学・大学院等の養成機関であり、養成に係るネットワークの構築はもとより、養成課程インターンシップ受入れ、日本語教師の採用情報の共有、域内の人材活用の促進などを図ります。 【近畿ブロックにおける取組実績】 近畿ブロックについては、現在、27機関(大学17機関、日本語学校5機関、地域行政系団体5機関)が協議会を組織し、同協議会を、Kinki Japanese Language Teaching Platform 略称K-JLPTと称しております。他ブロックに比べ、機関数が多いこと、また、行政系も巻き込んでいることが近畿の特徴と言えます。 ●構成機関・メンバーリスト https://language.sakura.ne.jp/kjlpt/index.html また、近畿ブロックでは協議会の実をあげるため、協議会をバーチャルな組織とはせず、事業内の連携部会として組織化しています(全28名)。連携部会は、各機関の代表者で構成されており、全体企画・連携・広報・評価などの仕事を担っております。 まず、全体企画に関しては、年間に3回の部会(合同部会・各部会)、2回の公開研修会、1回の公開シンポジウムを企画・実施しました。 次に、連携強化策(教師採用情報共有・人材活用他)として、採用情報等の共有ができるよう、近畿日本語教育情報交換メーリングリストを立ち上げて2024年6月より運用しており、多様な投稿がなされています。 このほか、人的連携の強化について、 (1)部会構成員による部会参画団体での講演、(2)部会構成機関同士の連携協定締結(例:神戸大学と国際交流基金関西国際センター)、 (3)部会メンバーが指導する学生の参画機関見学、また、非常勤教員採用、などの成果が出ています。 広報・評価については、自前でウェブサイトを運用し、公開イベントにかかる情報の発信のほか、すべての部会の議事録を公開し、透明性のある運営を実施しています。 ●連携部会の仕事の概要 https://language.sakura.ne.jp/kjlpt/renkei.html 2. 研修業務に関して 【募集要項におけるミッション】 日本語教師養成、実践研修(教育実習等を含む)の担当教員向け研修の実施: (具体的な取組例)新制度に関する情報共有、ブロック内の教師教育者の能力向上に資する研修(日本語教育の参照枠、必須の教育内容、コーチング、評価とテスト、著作権、プログラム評価等)の実施等を計画してください。オンライン等も適宜活用ください。 【近畿ブロックにおける取組実績】 近畿ブロックでは、この目的に対して「研修部会」(全17名)を設置しています。研修部会では、研修についてのニーズ調査や、望ましい研究の在り方について討議を行っています。 2024年度において、研修部会では、複数の日本語学校担当者より、各校での教員研修制度のありかたについて詳細なヒアリングを実施しました。 また、2024年度においては、「ICT教材活用」と「地域日本語教育」という2つのテーマで、9月と12月に、外部参加者も受け入れる形で公開研修会を実施しております。参加者数は44名、73名(申し込みベース)で、盛会でした。 ●研修部会の仕事の概要 https://language.sakura.ne.jp/kjlpt/kensyu.html 3. 調査事業に関して 【募集要項におけるミッション】 地域における日本語教育の教師・指導者としての専門人材のニーズ把握、調査: 地域の実情を踏まえた形でブロック内での日本語教師の養成・確保に関する課題について検討し、必要な専門人材(日本語教師ならびに日本語教師教育者)が確保され、適切に配置されるためのニーズ把握調査を計画・実施してください。ブロック内全域をすべて網羅する必要はありません。 【近畿ブロックにおける取組実績】 近畿ブロックでは、この目的に対して「調査部会」(全10名)を設置しています。調査部会では、調査の在り方を検討し、実施準備を行っています。 2024年度においては、調査に関する各機関からの意見をとりまとめ、調査の基本フォーマットを検討しました。本年度の討議を経て調査の概要が定まり、2025年の夏に1回目の調査を実施予定です。 ●調査部会の仕事の概要 https://language.sakura.ne.jp/kjlpt/chosa.html 4. 独自事業に関して 【募集要項におけるミッション】 地域ニーズ・協議会の特性に合わせた独自の企画取り組み: (具体的な取組例) 専門人材による日本語学習者への指導事例の検討、日本語教師のキャリアパス形成に関するシンポジウムやセミナーの開催、授業見学(実践研修(教育実習)などを含む)等の実践、実証・普及に関する取組、インターンシップの受入、日本語教師を目指す学生の就職支援などに関する養成機関と認定日本語教育機関等との連携・実践、専門人材とボランティア等との連携による実践(授業実践等)、地域の関係機関との連携強化に必要な体制整備 など。 【近畿ブロックにおける取組実績】 近畿ブロックでは、独自取り組みとして(前述の連携部会のほか)、外国ルーツの児童・生徒の支援を考える「支援部会」を設置しています(全14名)。 支援部会では、まず、これまで個人単位の取り組みが多かった支援業務(日本語ボランティア支援、日本語教室運営支援など)に関して、情報と実践の共有を目指し、定期的な部会開催を通して、構成員の行っている実践の共有を進めています。次に、第2回の公開研修会の企画と実施を担いました。 地域日本語教育をテーマにしたこの研修会は、多くの外部参加者の来場があり、このテーマを地域に発信する上で有益な機会となりました。また、情報発信のための手段(ウェブサイトなど)の構築を予定しており、2025年度より運用を開始する予定です。 5. 申請機関(拠点校)独自事業に関して 【募集要項におけるミッション】 その他取組(申請機関が主体となる取組): 大学・養成機関間の単位互換を含む提携や、先進的な養成プログラム等の共有を実施します。(単位互換が目的となるだけではなく、組織的に大学と大学、大学と日本語教育機関、地方公共団体が契約等(カリキュラム、責任体制、評価、費用負担、事故があった時の対応など含む)を締結して実践研修を実施し、登録日本語教員の雇用に繋がっていく方向性を示すなど。 【近畿ブロック拠点校における取組実績】 この点に関して、申請機関(主幹校)である神戸大国際文化学研究科日本語教師養成サブコース運営委員会内に「サブコース高度化検討ワーキンググループ」を設置しました。神戸大は、養成機関であると同時に実践研修機関でもあるため、実習委託を目的とした学外連携はありませんが、この間、同WGを中心として、本学サブコースにおいて「先進的な養成プログラム」を実現すべく、以下の基盤整備を行いました。 ●財政基盤の確保 (1) 「日本語教師養成サブコース高度化事業」を神戸大国際文化学研究科教育研究プロジェクトに申請し、採択されました。これにより、サブコース高度化の目的に沿い、研究科からの資金援助を受けられることとなりました。 (2) 同じく、国際文化学研究科研究センターPromisより基礎経費が新たに配分されることとなり、上記とあわせて日本語教師サブコースの質的充実のための財政的基盤が整いました。これを受けて、受講生を集めたランチミーティングなど、受講生の帰属意識を高め、コース修了を確実にするサポート事業が実施できました。 ●外部機関との連携強化 (3) 連携に関して、国際交流基金関西国際センターと本学国際文化学研究科との連携協定がかわされ、2025年2月13日に所長・研究科長のあいだで調印式を実施するとともに、意見交換会が実施されます。 (4) 加えて、拠点事業を契機として地域の日本語学校との連携も深めており、2024年11月には、サブコース科目の一つである「外国語教育内容論特殊講義Ⅱ(応用言語学入門)」において、担当教員の引率のもと、全受講生が神戸市のコミュニカ学院での見学・授業参加を行いました。今後、今後、「日本語教育の参照枠」の実践などにおいて高い実績を有する同学院との連携強化の可能性を模索します。 ●登録日本語教員制度に対応した教育内容の高度化 (5) 登録日本語教員養成課程および実践研修機関への登録を契機として、2025年度からのカリキュラムを全面的に改訂しました。選択科目中心であった従前カリキュラムを改め、必修科目をより多く配置し、50項目すべてが複数科目で量的・質的に十分に学習できる体制としました。 (6)サブコース運営委員会を月例・定期開催化し、プログラムをリアルタイムで進捗管理するとともに、問題があった場合は即時に改善できる体制を整えました。 (7)サブコース科目提供教員へのサポートを強化し、2024年10月には、「必須の学習項目」について教員の理解を深める解説ビデオを作成し、当該教員全員に視聴を求めました。 (8)修了チェックを厳格化するとともに、2年間の学びを総括する修了報告書を出させ、その内容を教員がチェックする体制を整えました。 (9)プログラム改善のための資料データの収集強化のため、従前の希望者のみアンケートを必須アンケートに切り替えました。 (10)サブコースの学びを学内・学外に発信すべく、新たに公式ウェブサイトを開設しました。 |
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